さよなら白鳥エステ

2019年10月1日、白鳥エステが倒産しました。
大阪梅田店が出来てから約5年通ってきた顧客としては、寂しい気持ちと「やっと終わってくれたか」という気持ちが入り混じっています。

本件について、白鳥紘子さん(末永紘子さんが正なのだろうか)のツイートを遡る気力もないため記憶ベースで思うところを書いていきます。
宣伝ツイート&ブログを書いていた自分の気持ちの供養のために、そして、とてもよくしてくれた大阪梅田店のスタッフの皆様のために。

メサイアコンプレックスと経営

メサイアコンプレックス: Messiah complex)とは、キリストコンプレックスまたはメシアコンプレックス救世主妄想とも呼ばれる、個人が救済者になることを運命づけられているという信念を抱く心の状態を示す言葉である[1]。狭義には誇大妄想的な願望を持つ宗教家などに見られる心理状態を指すが、広義には基底にある自尊心の低さを他者を助けることからくる自己有用感で補償する人々をも含める。

wikipedia メサイアコンプレックスより

白鳥紘子さんが書かれていたnote(買ってないがw)の書き出しだけで「あ、こいつヤベエな」と思わせるくらいにはメサイアコンプレックスを地でいっていますね。

キリストとして生きるという事

いや絶対御免ですけどね。
だって殺されるルートまっしぐらじゃないですか。そんなのは嫌だ。
無罪なのに言いがかりつけられた上で磔にされた上に聖槍で死亡確認されるなんて想像しただけでちょっと無理なんですけど…。
処刑人もキリストが無罪なの知ってた説あるらしいじゃないですか。手洗っちゃってるし。ユダも結局罪の意識から自殺したんですってね。
多方向に可哀想な展開しか想像出来ないので、私はキリストにはなりたくないです。
しかし、メンターの先生からは「キリストの自覚を持て」とずっと言われてました。
上記の理由で絶対に嫌でした。本当に無理。
「ヒトラーでもいいけど」とも言われてましたけど、ヒトラーも絶対嫌です。
大量虐殺なんてしたくないですし、する意味が分からん。全然趣味じゃない。
でも、教養のある部下(しゅうさん)から
「今の白鳥さんだとヒトラーかキリストのルートまっしぐらですよ」
「嫌なら回避する方法考えないと」
と言われて、「嫌だ」というだけの理由で考えたり調べたりを放棄していた私は「???」状態だったので、詳しく話を聞かせてもらいました。
ヒトラーの独裁の根底にはコンプレックスがあったそうです。詳しくは知らないですが。
そして、私が独裁に走りがちな言動を取る時はコンプレックスが顔を出しているそうです。
なので、そのコンプレックスが何なのかをめちゃくちゃ真剣に考えて突き止めました。ヒトラーになりたくないから。
私のコンプレックスは

白鳥紘子さんのnoteの無料部分より。

いやあキマってますね…ご自身がメサイアコンプレックスであるという自覚なく有料でこれ書いてるっていうのが笑えないけど笑えます。Twitterだけでも大風呂敷のわりに始末書かないのとか色々怪しいところでしたが、お金とる媒体でもこうしてイキり散らせるもんなんですね。

私が白鳥紘子さんをメサイアコンプレックスだと思う理由は以下の点です。
・弱い立場の人に向けたアピールがとにかく強かった
これに尽きます。弱者を惹きつける力がとても強かった、だから教祖にはなれた。
でも経営者にはなれなかった。

(ここから記憶ベースなので間違っている点があればご指摘いただきたいです)

このツイートで善意のバカって言われてるけど、私としては完全に悪意の方向に頭が切れる人物だと思っています。

私の言いたいことはこのツイートに尽きるのですがもうちょい深掘り。


給与遅配が明るみに出る前、採用に力を入れていたころ、性別学歴年齢不問での採用をやたら謳っていた記憶があります。

つまりは実力ベースで活躍できる場だという触れ込みだったのでしょうけれど、暗に「弱い立場の人間を救う」というメッセージも含まれていたのではないか。
LGBTQで社会的に居場所が定まらないと感じている人、普通の会社で週5勤務が難しいけれど少しずつなら働ける人、手に職をつけて今の状況から脱出したい人、などなど、そういった人たちでも研修を受けて活躍できるよ!という触れ込みのメッセージ性が強くて、当時は先進的なことをやるもんだなあと思っていました。
しかし、結果としては先進的ではなく搾取だった。

既存の仕組みに居場所がない人を救うこと、まずこれが白鳥紘子さんの抱えるメサイアコンプレックスが表出したもの。
そして、そういった人たちを白鳥エステの仕組みの中で飼い殺して動けなくすること。人をきれいにするってことはとてもやりがいがあって、故に依存性があると思いますよ。その中に縛り続ける構造にすることって、搾取以外に何があるっていうんですか。わかってやってたでしょ。
白鳥紘子さんの実家の太さアピール、ツイートにたびたび出てくる父と弟の存在、学歴、よくよく疑ってみれば不自然だけれど、「白鳥エステを救いの場」と捉えてしまうと、カモられてしまう。

また、マズいのがメサイアコンプレックスを連鎖させたことですね。
白鳥エステはカーテンで仕切られたブースの中で、お客さんはショーツ一枚orノーショーツで背中を預け、スタッフさんと一対一で過ごす。
私はその時間がとても好きだったし(何お話ししようかなとかめっちゃ楽しみにしてたよ)、スタッフさんは奇麗になったお客さんを見て本当に嬉しそうにされてた。
そこはいいんですよ、でもね、自己肯定感の低い人がそれをやるとどうなるか…の末路を懸念しています。
「こんな自分でも誰かをきれいにできる!」「居場所がある!」はモチベーションとなり自信になるが依存性もあり、いつしかお金よりやりがいにすり替わってしまう。
SNSでスタッフさんとお客さんが繋がりすぎてしまうのもしんどかったんじゃないかなあ…必要以上に情報入れないのも適度な距離感で商売続ける秘訣だと思うので。
メンタルがしっかりしていれば、必要以上にお客さんに入れ込むこともなく過ごせるのでしょうけど、逆を言うと「メンタルが強くないとメサイアコンプレックスに呑まれる」懸念があるのではないかと薄々思っていました。
(多分それに気づいた人は施術業やめたり、白鳥エステやめたり自分から距離を置けたんだと思う)
給与遅配があれだけ騒がれてもなお、「白鳥エステは大丈夫です」と言い続けることができたスタッフさんたち、そういい続けるしかない、白鳥エステを信じるほかない状況になっていたのではないか…と思っていました。

男性のスタッフさんより女性のスタッフさん(中性登録で戸籍上女性も含む)が圧倒的に多かったと思うのですが、これ女性をターゲットに搾取するパターンを生み出してた。
白鳥紘子さんのツイートは経営者目線を装ったものが多く、また自身が産休に入ったり出産して戻ってくるスタッフさんもいたりと「女性の働きやすさ」を度々アピールしていたかと思います。社保に雇用保険未加入で何言ってんだって感じですが。
アピールよりも実績とお金なのですが、一旦信じ込んでしまうと洗脳が解けるまでって厄介でね…拠り所と認識してしまったこと、女性の味方だと思い込まされていたこと、全ての答え合わせってやっぱ倒産するまでわからんかったかなぁとか。

自分は有能、自分は人を救える、自分についてくれば間違いない。
そういったメッセージを発信し続けることでいつしか本当に自分がそうなったかのような気になっていたんでしょうね、そして自分を特別視していた。
いいんですよお金があればそれをやってもらえれば。でもなかったでしょう。
そういうことなんですよ…
自分の身を削ってでも従業員守るのが経営者だって教わってきたけど、あいつは経営者でもなんでもなかったってわけで。

私自身、白鳥エステという場所にとても救われてきたし、地の底にあった自己肯定感、美意識、自分のポテンシャル等々をぐっと引き上げてもらえて、支払った値段以上のものをいつも受け取って帰っていました。
けれどスタッフさんには支払った値段に見合うお給料すらまともに出ていなかった。
私も搾取に加担していたようで、申し訳なくなってそこから通えなくなりました。

ここから自分語りなのですが。
私が3年ちょい続けた財務経理から異動で情報システム課としてエンジニア稼業をスタートさせたとき、私の話す内容と背中から「もしかしてSEさんですか?」って初対面で当てたスタッフさんがおりまして。異動したばかりで心細かった私に寄り添ってくれた気がした。
以来なんやかんや理由つけてその方指名して通ってたっけな。
身体はもちろんだけど、お話させていただくと心まで軽くなる気がしてとても幸せな時間だった。
またほかのスタッフさんだと、1~2か月に1度、夜にドライヘッド+スタンダード120分で予約入れてだらだらお話ししながら最高に奇麗にしてもらう時間が楽しみだったなぁとか、コスメの話したなとか、話しながら寝落ちしてたなとか、大阪梅田店は梅田芸術劇場からすぐ近くだったから、観劇後に立ち寄ったりしてたなとか…思い出深いんですよ。私白鳥紘子は叩くけど、スタッフさんたちは本当に大好きで…
幸い、また施術を受けたいスタッフさんたちの行方は知っているので、今後はそこにお世話になります。

さよなら白鳥エステ。誰かを救い、誰かを地獄に落とした場所。
困っているスタッフの皆さんが一日でも早く救われますように、未払いの給与が振り込まれますように、白鳥紘子が二度と表舞台に出ることのありませんように。

コメント