みんな!ISSA IN PARISは観たか????大変良かったので感想文を書きます。モーリー・イェストンと藤田俊太郎好きな人が書くのでそんな感じです、よろしくお願いいたします。俳優さん皆にリスペクトを伝えたいけど敬称略で書きます…
事実を越えた真実
小林一茶の謎を巡る旅であり事実を越えた真実がそこには確かにあって、物語を通して主題と裏テーマみたいなものが浮かび上がってくる構造ってよくあるけど、うまいことハマると気持ちいいね。劇中の小林一茶は歴史上の人物であり追える範囲のことしか分からなくて、でもフランスに渡っていた説はトンチキに見えて気持ちいいハマりかたしてて、確かにエビデンスのある事実は重要だけど別にそれだけじゃなくないですか、って思った。(常日頃、言語化ってそんなに大事ですか、って言ってるのと同じノリです)
ISSAもとい海斗から見えた真実と、真実に気づいたからこそ向き合えるものがある、を私は物語から読み取っていて。自分のことばかりに目を向けていてもそれは自分の目を通したことにしかならなくて、離れるために遠い歴史のことに目を向けるってあるのかも。まあやりすぎると陰謀論になっていく可能性もあるが程度問題ということで…
配役がいいね
海宝直人と岡宮来夢、潤花と豊原江理佳は配役逆の可能性あったのかなーとふと思った。現代に生きる海斗を若いから岡宮来夢という配役もあったのではないか、それか海斗と一茶、ルイーズとテレーズをそれぞれ一人二役にするとかもありそうだったけど分けて正解だな。ありそうとかいうない話しちゃった…岡宮来夢と潤花は明るいね、明るい同士でぱあっと華やかになる。テレーズが詠んだ句にも「東から来た友達が太陽だ」って一茶のことを形容していてよかった。テレーズの向かう革命って一茶に励まされた部分も多かったんだろうなと思う。
岡宮来夢さんお初だったのですが、歌声から弦楽器のボウイングを感じたのは多分伴奏も弦楽器だから、はあるだろうけど声綺麗だなあ、今まで観てなかったのはかなり惜しいことをしてたのではないか?「露の世は」の柔らかい歌声に続く阿部裕さんもまたコントラバスのような低音で…目をつぶって浸りたいくらいだった。目をつぶると寝ちゃうからもったいないですが。2/8のアフトクでも元気で嬉しかった。
それでね、海宝直人の歌声や佇まいから硬質さや傍観者としての芝居、そして傍観者で居られなくなってパンを配るという真実なのか現実なのかいい感じにぼやけてるとこいいですね、ひたすらまっすぐな小林一三との対比がある。傍観者でいるのもある程度までは出来ても実は限界があって居心地悪くなるからね。フランスについてからのデモに対して「治安悪い」と言ってたのがパン配れるとこまでいくのは相当な変化です。一幕と二幕では照明の使い方も違って、二幕のいろんな色のまっすぐなライト(梅芸二階席付近まで照らされているのを観測)が海斗から見える明るい未来みたいでよかったな。一茶とルイーズみたいな明るい存在がいて沈みっぱなしのほうが難しいというものです。でも引き上げてもらったんじゃなくて海斗が自発的に変わったというのが伝わってくる芝居に思った。指揮者の衣装白いなと思ったら海斗で、そういうところもいい。海斗が指揮しているということそのものがいい。(二階建ての装置の二階にバンドがオンステージでいて、コンダクターが見えるようにバンド配置してあったけどそれとは別に指揮台が演出のためだけにあった)
海を越えることについて希望のある小林一三、あえて母親に……俳句に関心を向けないようにしていた海斗にとって気乗りする場所じゃなかったフランス。フランスにしたのも時代背景もなにもかもがうまい。高橋知伽江脚本って面白いかも…パンフレットにも書いてあったけど母と子のモチーフの使い方が見事。母との関係を自分を縛るものから次へ進む力へ変換できるさまの書き方がいいですね。ベタなようでベタじゃないんだよなあ。自分を縛っているように見えるもの、って自分がそう思い込んでることも往々にしてあって、一茶という「事実を越えた真実」に触れることで視点がずれて、自分に対しての認識、自分以外の外の世界に対しての認識が変わっていくという成長があり、そしてそれは観客にも重なるところがあるのではないかな。海斗から見える未来、我々から見える未来、どっちも明るい気がする。いうてますけど押しつけがましくなくて爽やかに物語になっていて舞台に在ったのが気持ちよかった。
モーリー・イェストンの罠
他の演目の話で申し訳ないのですが、以前DEATH TAKES A HOLIDAY観たときに演出が大味に感じますな~という感想文を書いてまして、なんでそうなるのかが分かった気がする。パンフレットの高橋知伽江×藤田俊太郎対談で、モーリーはロマンティストでその分スイートになりすぎる…みたいなことが書いてあり、言ってしまえばスイートさに引っ張られちゃうんだろうな。どこかで現実に近づけるために杭を打っておかないとふわっとしちゃうんだろうなあと思った。2025年のモーリー・イェストンコンサートで思ったのは恋人とか家族とか仲間とか親子をすごい大事に描いてるということで、何よりも大切なことを伝えているということ。いや難しいねこれは…かなり抗っていかないとスイートなだけに見えてしまうしバランスの取り方が難しい。でも人生は生きるに値するものだと教えてくれるのが演劇で、モーリー・イェストンの作品で…
私個人の話なんですが普段理詰めで仕組み化しすぎてるからロジックがちゃんとしてる演出にスイートさがのっかってほしいって多分潜在的に思っててどうしようもねえな、でございます。
TALK TO TOKYOめちゃよくないですか
観る前に聴いて泣いてしまったでこれは…ミリしら状態でも心つかまれてしまった、いい体験です…歌いたいからカラオケに入れてほしい(そんな~)
作業用に流してるだけでもかなり気分がよくなる。2:49~塚本直/中河内雅貴or染谷洸太の歌声が重なるのもかっこいい。現代の東京と江戸が入り混じって照明は現代風で振付がコンテンポラリーで…もいい。なまじ小林一茶とついてしまったので古い感じを与えるかもしれないけど全然そんなことなかったな~~~
唐突に言うけどここがアートの売る難しさかもしれない、タイトルでここまで面白いと分からんとか、販促どうすればええねん問題とか。もう別の人が散々語りつくしてるだろうけど…早いうちに観て面白かった!って言っていくのが一番強いのかなあ。なんでもスマホで完結する時代でも紙で読む本は「紙で読んだ」って体験が残るし、劇場で見るミュージカルは「劇場で観た」の体験が残る。サウナに行かなきゃサウナに入れないのと一緒で、も思うし、まあ大してお安くないのもそう。だが観たい。がんばっていきたい…
そのほかアンサンブルの話など
古川隼大が声だけで分かるようになったぞ~うれし。タクシー運転手の「第三ね」がいい…ダンサーだと尾関晃輔がのびやかで好みの踊りでした。久々早川一矢じゃないアクロみたなとおもったら黒川賢也、覚えました。染谷洸太めろいを理解してしまった、それはダーウィンヤングから続いていますが…
ISSAのオタクやってる森山大輔と武者真由かわいかった~芝居を締めるポジションにいることが多い方が微笑ましいことやってるの良き。
細かいですがフランスのデモで木暮真一朗てすぐわかったし、デモのラップパートに岡田浩己も介錯一致でした。古川隼大といいやりそうなことやってくれてるのは嬉しいわね。
観てよかった
生きていく活力を得てシャキッと爽やかな気持ちで劇場を後にする、さっぱりした気持ちになる、これもまた良い鑑賞体験だなあと思うことです。物語と観客の間には明確に線があるなあと思うけど、自発的に線を越える体験したなとか思った。毎度のことだけど…作品によって越え方が違うかも、とも思う。何にせよ、観るって楽しいな、もっと観たいな。そして岡宮来夢がアツい…
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