20260423 奇跡を呼ぶ男@東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)感想文

ミュージカル

信仰とコミュニティと福祉の届かなさと~みたいなことが見え隠れしつつ面白い作品でした。竹内涼真上手いですね、普段テレビで見る人を舞台で見る新鮮さがありました。そして、おっ車椅子ユーザーが出てくる!明示的に身体障害者が出てくる作品ってあんまないな!という感想も。そんなことばっか言うてますけど楽しかったのはほんと!ホリプロ公式はコチラ。

あらすじ

伝道師ジョナス・ナイチンゲール。
彼が伝道集会のショーで見せる「奇跡」に人々は熱狂し、涙し、心を動かされていく–
しかし、それは真っ赤な嘘。彼の本当の姿は、伝道師のふりをして妹や仲間たちとともに「奇跡」を演出し、人々から献金を集めながら各地を放浪する詐欺師だ。
ある日、旅の途中でバスが故障し、立ち寄ったカンザスの田舎町スウィートウォーターで思いがけない運命と出会う。
女性保安官、そして足の不自由な少年との出会いをきっかけに、ジョナスの中で何かが変わり始める。
ウソを重ねてきた男は、果たして“本当の奇跡”を起こすことができるのか–。

ローチケ演劇宣言!竹内涼真主演 ミュージカル『奇跡を呼ぶ男』2026年4月上演決定!先行ビジュアル&コメント到着!!あらすじより

いつの時代もカリスマは必要

1992年公開の映画をミュージカル化したもので、1990~現代のアメリカ・カンザスが舞台です。でなんとなーーーーく思ったのが、VIOLET(2023年)のテレビ宣教師と求められる役割一緒じゃんね、ということ。いつだってカリスマは必要、時代が不安定であればあるほど、そしてカリスマは信じたくなるもののこと。奇跡を呼ぶ男の作中では「奇跡のつくり方」の手口込みで描かれており、そんな簡単なしくみを信じるなんてね?と観客に思わせたり、はたまた今でもあるし引っかかりそうだよなぁ…と思ったりが見えました。具体的には、伝道集会前にFacebookで客の情報調べておいてそれを伝道集会で言い当てたように伝える。そしてそれが奇跡だと思わせる…という。古典的な手段ではあるけれど場の熱狂でそれが本当に奇跡に思えちゃうから、厄介なところです。この辺りを今の政治と重ねることもできるか重ねてどうすんのと思ったりもする。(特に重ねて語りたい場合は良いがなんでも引っ張ると陰謀論に見えるね…)

その辺の人たちを適当に騙してバレそうなところで去るつもりが、伝道集会に来た、事故により後天的に身体障害を負った少年・ジェイクが集会中歩けるようになってしまう。これは非常に都合が悪いわけです、嘘が嘘でなくなってしまうから。嘘の中だから出来ること、言えることがあるのに、タイミングよく、あるいは「嘘から出てしまった実」だった場合対処が一気に変わるわけで。この辺り、VIOLETのテレビ宣教師に会いに行ったとこに重なるな~と思った、マジの信仰であり続けることは荷が重いこと、が重なる。ジョナスの場合は嘘だから余計に。

背負いたくないよね、と思いながらマーラと一夜を過ごすのもまあ…結果的にフラグみたいなところはあるが、この話の核ってどこまで責任負える?ってとこかなあと私は思います。

1990年代のカンザスで、父親のいない後天的に身体障害を負った少年がいて、で今よりもずっと福祉の理解がないとしたら田舎はもっと支援が届かないだろうし、閉じたコミュニティほど伝道集会の手口(Facebookに書かれた情報を抜かれるetc)は思いもよらないことになる。閉じた中だとその中の価値観が全てになるから尚更ジョナスがなんかうまいことやると響くんだよな~ああ~~~~~という感じですね。閉じたコミュニティと簡単な手口と派手な演出のイカサマの組み合わせって多分すごく最悪によくて、閉じてるとそのコミュニティ外の視点を持つ必要が無くなっちゃう。情報が溢れすぎた今の陰謀論と近いところもあるし遠いところもある。いつの時代も誰でもカリスマは信仰は必要ってこういうことか~~~…というのをね、思うわけで、最終的にジョナスが降りてくれてよかったな、ではあります。でもあの流れだと降りざるを得なかったのではないか、うまくやれるルートはないし。どこかでイカサマは通じなくなるしね。

だから、どこまで責任負える?に加えて、責任を負うって自分が見たくなかったものをちゃんと見るってことか?もあるかも。ちゃんとやりましょうよ、はずっとそう。そしてあんま都合のいいことじゃないんだよ責任を負うとか自分が見たくないものを見るとかは。奇跡じゃないし笑 でもいつかはやらないといけない、をちょっとした恋愛要素とアラン・メンケンの音楽でいい感じになってて面白かったですね。いや~この時代の福祉とか信仰の構造と重ねたいな~面白かった。

メイクが好みだった

ヘアメイクに赤松絵利さん入ってるのアツい!この情報だけで全体的にさらにお洒落に見えた!メイク協力もセザンヌとか入っててマジ?となった、我々観客が普段使いできるものがメイク協力に並んでると嬉しいね。お高いのでも十分嬉しいですが…

他の演目見るときでもメイクで時代表してるな~と思うことはあるけれど、現代に近いのは久々に見たかもしれない。

そのほかの話

松谷嵐くんが元気でよかった!久々舞台で観れて嬉しい、ラカージュよろしくお願いいたします。(ずっと言うなあ)
マルシアさん見てまーごめと思ってしまうのやめたいが仕方ないな、そうか?りんたろうさんの金髪パーママッシュ糸目にめろついてしまって大罪を背負った、一番金を搾り取りそうなエンジェルスでよかった…信仰しちゃうかも…(?)

色々書いたけど人がそのままで生きていくのは難しくて、正しいだけならいくらでも落ちてるけど間違ってても信じたいほうが落ち着くし、向き合えないのもまた悪いことじゃないんだよね。イカサマは悪いがジョナスは誰も救ってないわけじゃないし、まあでも、続かないよね、はずっとそうだな。観ながら、障害を持つことと信仰が近かった時代はあり、それは今も別にないわけじゃないから難しいね。奇跡でも無理なものは無理、となると信仰ってどの範囲をどうするためのものなんだろう、要件定義はしちゃダメそう。

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