陽ざしがいっぺんに春めいて、眩しいくらいで、歩いてると足元が暖かい日。
バンズ・ヴィジット大阪公演初日、観てまいりました。
前評判とホリプロのYoutubeで期待度を上げつつ…イスラエル問題についてとか、ユダヤ人とか、あんまり勉強しないまま(理解できていないまま)、それでも何かわかるといいなと思いつつ席に着きました。この時点で、観ること=予習が必要って思ってる感じあるなあ。
エジプトの警察音楽隊が、イスラエルの、当初の予定と全然違う街にたどり着いて一夜を明かすお話で、本当にそれだけなんだけどおかしくって、あたたかくて。一夜で何か劇的に変わるわけでもない、というか変わらないのが当たり前、それでも少し光は差すし気持ちは変わるし暖かいものが残ったりもする。暮らすって生きていくってこういうことなんじゃないかなと…
互いに違う文化圏にいて、言葉も違うながら、心通わせるさりげない瞬間っていいよな。
特筆すべきは、こがけんさんの電話男の歌!字幕が出てきてからたちまち色が変わって、思わず涙ぐんでしまった。歌って素晴らしいものなんだな。
そうそう、この作品のように、ミュージシャンが芝居をするというのも他にないことです。本業はミュージシャンの、太田惠資さん、梅津和時さん、星 衛さん、常味裕司さん、立岩潤三さんが衣装を着て、芝居をして、演奏をして。チェロが鳴るとき、バスクラが出てくるとき(立奏のバスクラはピンが長い)、ドラマが始まる感じする。リズム、コード、音の重なり、どれをとってもその土地が目に浮かぶようで、幕開きから泣いてた。なんで泣いちゃうんだろう、不思議だね。
ミュージカルの歌唱じゃないな、ジャズっぽいナンバーもあるし、とパンフみたら、歌唱指導の石川早苗さんはジャズボーカリストとしても活躍されている方でした。
なんてことないけどあたたかくて、また観たくなる。
普段は音楽、物語じゃなくて、お金、効率、価値で働いてるけど、だからこそ。派手じゃなくてもいい、音楽と物語を大事に暮らしたい。
※上記台詞は以下のゲネプロ映像にも含まれています。
こがけんさんの歌がほんとにいい。
観た後にお洒落な飲み物のんで、余韻に浸りたくなる作品です。観れてよかったね!
コメント