2024年の大千秋楽も過ぎましたが今更感想文です。
何がなんでもハッピーになれて大好きなこの作品についてはやはり書き残しておきたい気持ちです。
また、2022年日本初演からミセス・ミアーズの設定が変わりましたが、個人的にはこの変更はなされて当然のものと思います。
というわけでここからの文章は大いにネタバレを含みます!個人的な考察です!
ミセス・ミアーズの設定が、人さらいからBWに立ちたかった女性に変更されていましたが、おそらくですがこれコロナ禍でアジア系ヘイトが強まったから、アジア系への偏見・古い価値観がある設定は相応しくないとされたのではないかな…と思っています。(こういう記事とか…苛烈なヘイトクライムが今もあるのです。)
「パレード」という作品を観ていた2021年、今も人種起因で人が死ぬことはあるのかと調べたらやはりあって、とても悲しい気持ちになったのを思い出しました。
なので、物語の本質に関係のない古い価値観は潔く無くした今回のバージョンは私はこれで当然と思っております。2022年日本初演時も、一路さんはかっこいいけどあの中国訛りはいいのか…?と疑問に思っていたし、前のバージョンのままBWでの上演が続いていたらアジア系の人が見たときに不快に思ったり傷ついたのではないかなと…。
初演のミセス・ミアーズもかっこよかったんだけどな~~~人さらいとしてのコードネームを電話で告げる「バタフライだ」のとことかあまりにもめろかったもん~~~~~~~。でもあからさまな中国訛りは一昔前は気にも留められなかっただろうけど今はリスペクトのないものとして扱われるから、無くていいのです。
中ねん女性が若い女性に嫉妬する構造になってるけどそれはいいのか!は思うけど、でもミセス・ミアーズもマジーもどちらも魅力的だし、設定を上回って素敵なところが有り余る役どころだからなぁ。初演観たときの一路保坂対決が素晴らしくて衝撃を受けたし、今回の土居裕子さんも敵に回したら厄介そうな感じで最高だったし。繰り返しになりますが、アジア系への偏見が含まれる設定よりも、今回のミセス・ミアーズのほうが何も考えずに楽しむことが出来ていいです。
バン・フーとチン・ホーの中国人兄弟は実際に広東語の台詞を話してそれに字幕がついていました。これは初演から変わらないところです。ストーリー上「英語を覚える」とか言葉を覚えることが重要になってくるので、広東語で喋っているほうがいいし、ここも中国訛りで誤魔化していたらやはりリスペクトのないものになると思います。役者さんは広東語の台詞を覚える必要があるし、観客は字幕を見る必要がでてくるけれど。
この辺が、日本で日本人が演じる上での見えない壁で人によってはスルー出来る壁なんだろうなと思いつつ、それでもハッピーがいっぱいの作品には違いないわけです。
心躍る生オケの演奏に、明るく前向きなミリーに励まされ力を貰って帰る素晴らしい時間を過ごせるのはモダン・ミリーだけだから、どうかこの作品が長く日本で愛されるものになってほしいなと思います。
そのほか、やっぱりタップがあるとわくわくするとか衣装全部正解でよかったとか、玲実くれあ様無双とか、アンサンブルみんな好きだけどとりわけ伊藤かの子さんの笑顔にパワーを貰えるな~!とか、高木裕和さんの安定感とか、常住富大さんはYoutube動画上がるたびに再生してるけど知り合いに似てるなぁとか細々はまた、どこかで。観れてよかったよ!
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