2021/6/11、メリリー・ウィー・ロール・アロング大千秋楽観劇しました。以下感想や思ったことを順不同につらつらと。
・劇場について
これ、シアターBRAVA!で観たかったなぁ…と今はない劇場の話をしがち。ブラバはキャパ1,136人、梅田芸術劇場メインホールはキャパ1,905人。というのも、私が最後にシアターBRAVA!で観たのがスウィーニー・トッドで、スウィーニー・トッドはソンドハイムで…みたいな安易なノリです。
ちょうどあの時ギリギリU25でスウィーニー・トッド観ていて、そしてメリリーにU25のカウンターがあって、お若い方観れるときに観ておいてね…と列を眺めました。
・電子パンフレットについて
持ち運びの利便性と、電子パンフレットのクーポンがあることを思うと安くあげるなら電子だろうなあと。
ただ、電子で読んでると紙でも読みたくなる…
ポストカードと舞台写真を買いそびれたので、併せてパンフレットも紙で買おうかな…無駄になるかな…どうだろう。
・座組について
手堅い!平方元基さんはクラシカルな歌唱のほうが向いてそうと思った。雅原慶さんはスタイルいいね…
実は女優・朝夏まなとさん観るの初めてで、ガッシーのぎらついたオーラから最期のほうの素朴な雰囲気まで自由自在で振れ幅が素晴らしい。よかった。
上口耕平さん、高木裕和さん好きなので観れて嬉しかったのと、井阪郁巳さんを発見できたの良かった。
上口耕平さんのダンス大好き!
・開演前アナウンス
平方・ウエンツ・笹本の仲良く話してる風アナウンス。ロビーで喋らないでね、感想は劇場から1㎞くらい離れてからオンラインで(この辺記憶曖昧)という内容で、開演前から始まっている感じがして入り込めた。
こういうアナウンスは好き。
・お話
いい意味で肩透かし…ソンドハイムだから壮大だろうとかの決めつけからです。座組が手堅いが故にもうちょい派手な話だろうと思ってたのも…これも決めつけ。
めちゃくちゃで最悪なところから始まり逆再生される物語、「僕らの旅は続くよ」の当たり前に未来を見ている言葉、場面転換の「1976」など歌で年を遡るところ、胸がキュッってなる。あと舞台下手のまるい装置をひっくり返しつつ場面転換するのも好き。明るく歌いやすそうなメロディーをところどころソンドハイム節のリズムと不協和音で壊していくところも好き。
印象的なのは、フランク25歳・ガッシーのパーティーのところ(ガッシーがべスのドレスにお酒ひっかけちゃうとこ)で、フランクとチャーリーが歌うもガッシーやパーティーの客の喧騒に乱されるところ…
ガッシーに悪気はないんだよな、ただ彼女はガッシーになり続けるだけで。
フランク・チャーリー・メアリーの三人のごく個人的な関係の変遷の話だから地味といえばそうなんだけど、要所要所のこれがなければね…という言葉なり行動なりで冒頭から遡って答え合わせをしていく感じ。
いい加減みるときに自分と作品を重ね合わせるなと言うのに、自分の人生を逆再生したら、どうだろうなぁ…なんて。
遡って遡って、三人が出会ったところで、夜に人工衛星を見上げてるの。あの希望に満ちた三人のままでいれたらどれだけよかったか。どうしてこうなったのか。副題にある「あの頃の僕たち」を遠目から眺め、フランク・チャーリー・メアリーはその後の人生をやっていくんだろうな…
あんま関係ないけど赤い台本「左向け左」とレッドパージを重ねたりも。
さてフランク・チャーリー・メアリーの三人の遡りと同時に、ガッシーとジョーの遡りも描かれていて。最後のほうの素朴でスターオーラのないガッシー(そのときは、まだガッシーの名はなかったのだけれど)、ここからガッシーになってしまうのだなと…
・赤狩り
ケネディーやマッカーサーがナイトクラブでのショーに出てきたからそういう時代なんだな~って思いました(雑だな)
赤狩りとブロードウェイといえば、「ジェロームロビンスが死んだ ミュージカルと赤狩り」が興味深かったので、ハードカバーのほうのリンクを貼っておきます。
ミュージカル関連の歴史を掘ると政治思想に行き当たるのだ。
日本語とソンドハイムって相性悪い?というかメリリーを日本語でやるのかいまいちノリきれてない感じした。リズムが難しいからかな。
・メリリーのコラム
見つけたものを貼っておきます。
ソンドハイムの言葉を伝える音楽で人生を遡る『メリリー・ウィー・ロール・アロング』
『メリリー・ウィー・ロール・アロング』の楽曲で紐解く、ソンドハイム・ナンバーの深遠な魅力~「ザ・ブロードウェイ・ストーリー」番外編
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